【全34本】ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンだったアレコレ2025年6月

2025年6月に私が出会った、DEIに関係するニュース、映画、本、イベントなどについて日付ごとにまとめています。
草冠結太 2025.07.01
誰でも

6月1日(日)第3回刑務所アート展作品集

ものすごい熱量だった。絵画から手紙まで、刑務所に関係する人たちの、さまざまな作品が収められている。罪とは何か。社会復帰とは何か。とても考えさせられる一冊。

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6月2日(月)毎日新聞「スポーツ団体のLGBTQ相談窓口設置は2割 NPO調査」

少ないなー。調査の実行委を構成する梅田ディレクターはスポーツ界の現状を「20年くらい前のビジネス界のダイバーシティーの状況だと感じた」と指摘。少ない上に、遅いのか。ただプロスポーツはさておき、アマチュアの競技団体はボランティアで成り立っているところも多い。専門知識、体制をが追いつかないのも理解できる。だから評価項目なり指標なりがあるといいんだろうな。11月に「スポーツ版プライド指標」が公表されるらしいから、それに注目したい。

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6月3日(火)Vogue Japan「「ロールモデルがいないから、私がなりたいと思った」──50、60、70代、それぞれにとってレズビアンとして生きること【プライド月間 2025】」

とても濃密な記事だった。50代、60代、70代の女性たちのインタビュー記事。レズビアンとして生きると銘打たれているし、記事もそこに軸を置いているけれど、もっと普遍的で本質的なことが語られているように思えた。セクシュアル・マイノリティは、別にプライド月間だけじゃなくて、これまでも、今も、これからも、当然いるし、社会は常に動いているから、プライド月間って区切りをつけることに違和感があったりするのだけれど、こういう良記事のきっかけになったのだとしたら、大切な振り返りとアーカイブの季節でもあったりするのかも、と思ったりする。

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6月4日(水)TOSテレビ大分「児童がジェスチャーを交えたコミュニケーション学ぶ 手話で演劇を行う俳優たちがワークショップ 大分」

とても素敵な取り組み。娘が通う小学校はこういったワークショップやってくれないので、うちは家庭内で自主的にイベントに参加したりしてる。でも本当はお友達とかとドキドキしながら取り組んだほうが、コミュニケーションの本質に触れられるんだよな。本来コミュニケーションは楽しいものだから。そういう意味でも、プロに教えてもらうのはとてもいいよね。

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6月5日(木)パラスポプラス「車いすテニス、小田凱人が天皇杯3連覇、女子は上地結衣が準優勝! 女子ダブルスは田中愛美・朱珍珍組が金メダル」

めちゃくちゃ充実した、しっかりとしたスポーツ記事だった。今更だけど、こうやって障害者としてではなく、アスリートとして取り上げられることにグッと来る。小田選手の「僕はトップをけん引するというより、ど真ん中にいる僕に他の選手が向かってくるという形が理想のイメージ。みんなで高め合っていきたい」というコメントがすごい。かかってこいや!ってことだから。車いすテニスは、群雄割拠のバトルロワイヤル時代に入るのだろうか。楽しみすぎる。

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6月6日(金)パラサポWEB「平均年齢69歳のシニアが週5で「VALORANT」!高齢化率全国1位の秋田県でシニアeスポーツに本気を出す理由とは?」

最高の記事だった。MATAGI SNIPERS(マタギスナイパーズ)、めっちゃかっこいいじゃん。eスポーツは、究極のバリアフリースポーツという話もある。でもシニア選手が活躍しているのは初めて知った。シニアでありながらルーキーってところに大きな可能性を感じる。そうだよな。だれでも、どこからでも参戦できるのがeスポーツ。それが面白いんだよな。

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6月7日(土)Queer Art Exhibition

Tokyo Pride 2025の一環で開催されていた、クィアをテーマにしたアート展。小さな展示だったけど、見応えのある作品もあった。とくにmoriuoさんと狩野萌さんの作品にはとても惹かれた。どちらも何気ない日常の風景が切り取られている。Tokyo Pride 2025はお祭りの側面もあるから、ハレの日。ハレの日は、日常に隠れた現実を浮き彫りにする。たくさんお客さんがいたよ。素敵な作品展だった。

moriuoさん作品

moriuoさん作品

狩野萌さん作品

狩野萌さん作品

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6月7日(土)Tokyo Pride 2025

今年もきた。いやーすごい人の波。セクシュアル・マイノリティもそうだけど、ろうの団体のみなさんが賑やかに手話で盛り上がっていたのが印象的。そうだよな。マイノリティ性が複数ある人もいるし、たくさんいるはず。その日常にきちんと出会うのが、このイベントの醍醐味。いつも自分がどれだけ狭い世界で生きているか、ほんとうによくわかる。

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6月8日(日)Tokyo Pride 2025(2日目)

パレードへ声援を送りに渋谷へ。とにかく賑やか。いろんな人の、いろんな話が聞こえてくる。ダイバーシティやDEIなどど、笑顔でまじめな話をしている人がたくさんいる。浮かれとマジメがいいかんじに混ざってるのが、このイベントのいいところ。祭りの後、みんなそれぞれ帰る場所が、幸せなところであることを願ってる。

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6月9日(月)ハフポスト「「政治生命が終わる」と言われたカミングアウト。尾辻かな子議員は再びパレードを歩いた。20年で変わった社会と変わらない政治」

Tokyo Pride 2025の記事。本当にいろいろな方々の奮闘の積み重ねで今があるのだと思い知る。いま改めて公式サイトをみたけど、圧巻の歴史だった。紆余曲折も含めて、先人たちへの敬意を忘れてはいけないと思う。それにしても、これでもまだ同性婚の法制化がなされないって、マジでどういうこと?って思う。でもかつて府議だった尾辻さんだって、衆議院になってこの場に立っている。時代は変わる。きっと。必ず。

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6月10日(火)ePARA「EVO JAPAN2025に行ってきた」

とても面白い記事だった。とくにADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の筆者が、NAOYA選手(日本初の全盲での最高ランクプレイヤー)の試合を観戦したり、大会のアクセシビリティについて感想を述べているところ。つまりそれだけeスポーツはパラスポーツ的なアングルで観ることが可能と言うこと。ePARAのサイドイベントだった「ゲームアクセシビリティ体験会」行ってみたかったなぁ。

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6月11日(水)こここ「誰もが楽しめる美術館の取り組みとは。東京都庭園美術館、東京都美術館、国立国際美術館のアクセスプログラム」

これはいい取り組み。障害があったり、子どもがいたり、子ども本人だったり。そういう人が気軽に楽しめる美術館は、長く愛される美術館だと思う。いわゆる”健常者”である時期なんて、人間そんなに長くない。人生の半分くらいは、なんらかの障害を感じながら生きていくんじゃないかな。だとすると、美術館とかの文化施設こそ、そういう視点をもってほしい。だって、芸術は時代を超えていくものだから。こういう美術館に子どもを連れて行きたい。

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6月12日(木)Time Out「インタビュー:東海林毅 バイセクシュアルを公表する映画監督が語る、クィア映画を生み出す情熱」

とても説得力のある記事だった。映画監督・東海林毅さんのインタビュー。トランスジェンダーをはじめとしたセクシュアル・マイノリティ当事者が、その役を演じることの重要性について。その社会的な意義や、自身の作品の影響について。監督の映画「片袖の魚」は私も大好きな作品。監督の「自分にも思い込みがあった」というコメントに、真摯さを感じた。ただタイトルにある監督のセクシュアリティと記事の中身はほとんど関係ないのでは。そこだけひっかかった。次回作「となりのとらんす少女ちゃん」の公開がとても楽しみ。

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6月13日(金)パラスポーツマガジン「期待の選手が躍動!2025ジャパンパラ陸上競技大会」

めちゃくちゃ面白い記事だった。11月のデフリンピックに向けたデフ競技選手の活躍。脳性まひ車いすクラスの吉田彩乃という若手選手によるダブル金星。さらに、車いすやり投げクラスの小松沙季選手の快挙。彼女はパラカヌーから転向したてで、自分のやりも投てき台ももっておらず。借り物で試合に臨み、いきなり大記録をブチ出してしまった。マジか。面白い選手が台頭してきたなー。ジャパンパラ陸上のニュースが流れてくると、もうすぐ夏。

6月13日(金)映画「彼らが本気で編む時は、」

観た。本当に編み物をしながら。基本的にはウェルメイドな、丁寧に作られた映画だと思ったし、公開当時に評判が高かったのも頷けるのだけれど。毒親、トランスジェンダーの家族、血のつながらない父親、という、自分と共通する要素がとても多い映画だったので、しんどいシーンも多かった。公開から8年が経った今から見返すと、やっぱり当事者キャスティングは難しかったか、とか。リンコさんがやけに規範的に見えるな、とか。いやそれはむしろ規範的でないとさらに攻撃の恐れが高まる生きづらさの裏返しでは、とか。だとするとそれって女性全体に言えることでは、とか。いろいろ考えた映画だった。たぶんこれからも考え続けるのだと思う。とりあえず、トモのラストは、私は全力でああなることを食い止めたかった。せめてもの救いは、マキオん家が近いってことかな。

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6月14日(土)こここ「「ゴミコロリ」祝200回! 京都上賀茂のゴミを退治してきた〈スウィング〉17年の軌跡とは?」

あー最高。本当に大好き、スウィング(京都の福祉施設)も、まち美化戦隊ゴミコロレンジャーも。200回達成は本当にすごい。愛される要素が組み込まれているし、それを継続してきた。17年間。福祉とか、障害とか、それを軽んじることなく、しかもナンセンスだったりユーモラスなことをしている。それってしっかりした哲学がないとできないし、考え続けないとできないこと。尊敬する。

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6月16日(月)Spotlite「目が見えなくてもテニスができるの? 音を感じて楽しむブラインドテニスの世界」

視覚に障害のある方向けのスポーツは数あれど、テニスや卓球もあるのかなと思ったことがあったのだけれど、本当にあった。パラスポーツの面白いところは、競技を楽しむために知恵を使い、工夫するところ。そして改善を重ねて進化していくところ。ブラインドテニスもまさにそんなスポーツだった。たぶん私が知らないスポーツってたくさんあるんだろうし、愛好家もまたたくさんいるのだ。人の数だけスポーツのあり方がある。それはとても素敵なこと。そして奥深い。

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6月17日(火)パラスポプラス「車いすカーリング日本選手権はease埼玉が初優勝! ミックスダブルスでミラノ内定の中島・小川の活躍が刺激に」

車いすカーリングのクラブチーム日本一を決める「第21回ナブテスコ日本車いすカーリング選手権大会」に関する記事。選手が私よりも年上に見える男性ばかりで新鮮。その裏には、カーリングといえば若い女性を連想してしまっていた自分がいるわけで。アンコンシャスバイアスを反省。パラスポーツは年齢性別を超えてナンボ。とくに車いすカーリングはね。

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6月18日(水)映画「行き止まりの世界に生まれて」

すっばらしい作品だった。スケボー好きの青年たちの12年間を追ったドキュメンタリー。有害な男性性、人種差別、経済格差。ルーツや肌の色はちがえど、生きづらさを抱えた三人は、「アメリカで一番みじめな街」でどう大人になっていくのか。成長過程で払われる犠牲の大きさに、目を覆いたくなる。本当に見ていられないシーンもあった。でも、彼らが友人同士として、自ら撮っている・撮られている映像だから、見続けてしまう。とても美しくて、残酷な作品。すべて親が、大人が悪い。でも、彼らは親に似ないで済みそう。世界はそうやって、少しずつ良くなっていくと信じたい。

6月18日「点字毎日」

図書館に行く用事があって「点字毎日」をはじめて手に取った。毎日新聞社が出している点字の週刊新聞。100年以上の歴史がある。存在自体は知っていたけれど、実際持ってみて「すごいな」と感じた。あたりまえだけど中面はすべて点字。視覚に訴えない情報の熱のようなものが、厚みとして手のひらから伝わってくる。点字の凹凸によって生み出される陰影が美しかったのも印象的。公式サイトによると「これだけ長く「視覚障害者と社会をつなぐかけ橋」となってきた新聞は、世界中で点字毎日だけ」とのこと。それも納得の重みがあったよ。

点字毎日6月16日号の表紙。印刷文字で、「点字毎日」のタイトルや記事のラインナップが書かれている。罫線で囲まれている部分も多く、弱視の方への配慮であるのかもしれない。

点字毎日6月16日号の表紙。印刷文字で、「点字毎日」のタイトルや記事のラインナップが書かれている。罫線で囲まれている部分も多く、弱視の方への配慮であるのかもしれない。

中面は点字のみなので、印刷文字はない。点字の凹凸によって浮き彫りになる陰影が美しい

中面は点字のみなので、印刷文字はない。点字の凹凸によって浮き彫りになる陰影が美しい

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6月19日(木)TBS NEWS DIG「「強い男性しか活動できないのは健全ではない」 重度障がいのある舩後氏が政界引退へ」

国会議員の働き方については、「超人的に健康で体力があって元気な人ばかり」と指摘し、「この社会には、望んでいても十分に働けない人が多くいる。ごく一部の強い男性しか活動できないのは、国権の最高機関の姿として健全とは思わない」と批判。まさにその通り。いわゆる”強くない人”もいて、当事者として活躍できること。それこそが本当の”強さ”なんじゃないか。強い人だけが活躍できる場というのは、いわば独壇場であって、それは持続可能なありかたじゃない。

6月19日(木)共同通信「デフリンピック、観戦無料 11月、19競技の213種目」

デフリンピックが観戦無料、全試合Youtubeでも配信、11月15日の開会式、26日の閉会式も観覧募集するとのこと。デフリンピックはパラリンピックよりも歴史が長い。せっかく日本でやるんだから、ぜひ生観戦したいなー。でも会期が短いんだよなー。15日は土曜日だから観覧に行きたいな。でもまだ募集の告知が公開になってない。いつになるんだろ。

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6月20日(金)障害者ドットコム「「類を見ない成功」からの転落 発達障害のキャリアを考える」

とても切実な記事だった。そして休職中の私には他人事ではない内容だった。人は「出来ないこと」で、できている。時折そんなことを考える。「出来ること」を見極めるのは簡単。「出来ないこと」を見極めて、対応するのが難しい。障害によることはもちろん、歳をとれば誰にでも当てはまることなのだとも思う。筆者さんはとても大変な思いをされたとは思うけれど、知性と示唆に富んだ記事だった。

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6月23日(月)日刊スポーツ「【都議選】45歳元TBSアナが初当選 妻は女優 龍円愛梨氏らに続きアナ出身都議」

都民のはしくれのさらに端っことして、自分も投票にいった。自分の選挙区では高野氏みたいに、多様性な命・生と、生きやすさ向上をかかげる候補はおらず。やはり手取りアップや物価高を課題にする候補が多かった印象。それももちろん重要なんだけれど、生きづらさの捉え方が大掴みすぎる。手取りも物価高も、都政では限界があるはず。都政ならではの解像度というか、きめ細やかさがほしかったなぁ。

6月23日(月)Paraphoto「2020から2025へ。東京デフリンピック・プレスセミナー開催。──パラスポーツ・メディアはどう向き合うか?」

とても興味深い記事だった。デフリンピックの理念は、かなり先進的だと感じた。でも先進的なことって、実はとても地味で地道なことの積み重ねだったりする。お金をかけない。選手村も作らない。テクノロジー活用の実証実験。授業とリバース・エデュケーション。中小体育館の活用と観戦無料。一歩一歩進んでいることが伺えたし、もし成功したらその知見は今後のデフリンピックだけじゃなく、オリパラにも影響を与えるのでは。デフリンピックスクエア、必ず行こうっと。開会式の申込開始、まだかな。

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6月24日(火)映画「YARN 人生を彩る糸」

4人の編み物アーティストを追ったドキュメンタリー。編み物をテーマにした映画がないかと思って鑑賞したのだけれど、内容は非常にダイバーシティに通じるもので、とても驚いた。ストリート・アートをはじめとしたアーティストたちの作品が伝えるのは、女性差別への怒り、環境破壊への警鐘、政治体制へのアンチテーゼ、子どもたちの将来への危惧などなど。いずれもマイノリティや、立場の弱い人の目線を強く感じるものばかり。なかには、うちの娘も遊んだことのある作品があってビックリ。ここまで多岐にわたる視点を内包した映画になるのは、編み物もまた暦としたアートフォームであり、コミュニケーション・ツールであることの証左だと思う。自分がどうして編み物が好きなのか。それを確認するような映画だった。

6月24日(火)Spotlite「全盲の大学生が起業。オンライン学習塾「vreach」で実体験に裏付けられた学習支援」

めちゃくちゃ素晴らしい記事を読んでしまった。視覚障害者の、視覚障害者による、視覚障害者のための学習支援サービス。経営者も講師もみんな当事者。だからこそ障害のある子どもたちの立場になって教えることができるし、親とのブリッジにもなる。しかも、記事を読んでいると、パソコンの設定や教材の相談にのったりかなりフレキシブル。さらに聴覚障害や読み書き障害への応用もありうるとのこと。これは子どもたちだけではなくて、障害のある方の可能性を引き出すという点でも、すごい。すごい、という言葉しか出てこないくらい、すごい。マジでがんばってほしい。応援してる。

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6月25日(水)朝日新聞「トランスジェンダー差別の認識、日本が最低 理解進まず、国際調査」

「トランスジェンダーの人々が差別を受けている」と考える人は日本で39%で、調査対象となった26カ国で最低。調査したイプソスは「差別の実態への認識が国際的にみても極めて希薄であることが明らかとなった」としている。さらに他の項目から見ても、性的少数者への理解が進まない状況がうかがえるとのこと。正直、驚いた。差別への認識が低いとは思っていたけれど、ここまで低いと思ってなかったし、人権意識は高まっていると思ってたのに、過去比較でむしろ低下していた。。。ただ、ちょっと気になったのは、調査方法について。今年4~5月にオンラインで26カ国の1万9028人を対象に実査されたらしい。一カ国あたり平均で約730人。10代〜60代までとったとして、1年代あたり10人そこそこ。んー調査として信用できるのかどうか。。。

6月25日(水)太田出版「図解でわかる 14歳からのLGBTQ+」

46歳だけど、読んだ。おさらいには格好の一冊だった。やはりニュースだけではなく、書籍に定期的にあたることは本当に大事だと思った。常識・知識として分かっているつもりだったのに、どっこい間違って覚えてた事柄がいくつもあったし、知らなかったことも新たに勉強できた。そして、時代の変化の早さにも改めて驚いた。この本は2021年の出版なのだけれど、その後に言葉の定義、行政の実態、社会情勢が変わっていたりする。変化をもたらした出来事もあった。大人として、社会がどう変わってきたのかを知っておかなければならない。そして、社会を退化させてはならない。そんなことを思ったよ。

太田出版 図解でわかる 14歳からのLGBTQ+ の表紙。いろいろなジェンダーがイラストで描かれている。バイアスをさけるためか、いずれのイラストの人にも表情は描かれていない

太田出版 図解でわかる 14歳からのLGBTQ+ の表紙。いろいろなジェンダーがイラストで描かれている。バイアスをさけるためか、いずれのイラストの人にも表情は描かれていない

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6月26日(木)日テレNEWS「【トランスジェンダー】“風呂問題”を弁護士が徹底解説「手術なしで性別変更」判決から約1年も「かみ合った議論がなされていない」」

とっても良記事だった。法律と運用。その両面から考えると、トランスジェンダーへの差別や恐怖や誤解がかなりなくなるのでは。「そもそも根本的な問題からいうと、戸籍上の性別を変えること=必ずしも変更後の性別のスペースを使えるというわけではない」「戸籍上の性別と身体の状態というのは一致しないケースが出てきている」「裸になる場での運用は必ずしも戸籍イコールではない」「厚労省の通知でも、公衆浴場とかそういった裸になる場では身体の特徴をもって振り分ける」「実務的な議論をしていかなきゃいけない段階に入っている」「運用を考えないのはおかしい」「合理的な修正の必要性がどこにあるのかよく議論しながら、必要なルールやガイドラインを作っていく。これが今必要なこと」。

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6月27日(金)パラサポWEB「パラリンピックとどう違う? 「きこえない・きこえにくい人のためのオリンピック」デフリンピックの基礎知識」

今回のデフリンピックは日本初開催にして100周年大会。実はパラより20年以上も歴史が長い。そんな基本知識があるだけで大会はとても面白くなる。「観客席などにも手話CGやテキスト表示されるディスプレイが設置される」そう!お金使うならこういうところ!運営の随所に合理性とか社会性を感じるから興味がつきない。障害者スポーツという呼称は好きではないけれど、パラリンピックを子どもと見に行けなかった親としては、多様なスポーツ体験の機会として、ぜひ観戦に行きたいと思っている。

6月27日(金)明治学院大学 レインボーフェス2025 映画「アロハの心をうたい継ぐ者」

都内の大学のLGBTQ+関連のイベントに行き、ハワイの映画を観てきた。いやー面白かった。マフーというハワイ特有のジェンダーとして生きる女性の物語。女性というか、両性を超えた存在なのだけれど。ジェンダーとは。愛とは。文化とは。社会とは。実にさまざまな視点を含んだ、社会性のとても高い作品だった。これいつかまた観たい。運営するボランティア学生さんの活躍も素晴らしかった。

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6月28日(土)アフター6ジャンクション2「映画「プリズン・サークル」について。監督「坂上香」さん」

めちゃくちゃ興奮した回だった。ドキュメンタリー映画「プリズン・サークル」は私も見たことがあり、間違いなく名作。現代の刑務所制度について、罪について、とても考えさせられるものだった。それがまた再上映されるなんて本当に素晴らしいし、たくさんの人に見てほしいと思った。そして何より、坂上監督の次回作にテンションぶち上がり。少年院とラップに関するドキュメンタリー。私も某施設で、家庭に事情を抱えた児童に対するラップのワークショップ・ボランティアを数年やってた。だからめちゃくちゃグッときた。この映画のラッパーはFUNIさんかな?この映画のワークショップ、参加してみたいな。少なくとも8月のクラウドファンディングは絶対に参加する。参加するぞ。

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6月30日(月)AFP BB News「ハンガリー最大のプライドパレード開催 オルバン政権に反発」

かっこええ。LGBTQの権利を後退させている政権に反抗し、ブダペスト市役所がパレードの共催を決定。民族主義政権による警察の禁止にもかかわらず、参加者数はこれまでの最多記録3万5000人をはるかに上回り最大20万人だったとこと。ものすごく希望を感じる。とはいえこれは、それだけ政権が圧政的である、ということの証左であり、政権というからにはそれを支持する国民が多い、ということでもあるのか。とても輝いて見えるパレードだけれど、そのぶん影も深いのだろうな。正直、日本も他人事じゃないぞ、と昨今のヘイトを見ていると感じてしまう。それを煽る政治家も。誰かを差別したって、自分の生活がマシになるわけじゃないのにね。

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