【全23本】2026年1月ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンだったアレコレ

2026年1月に私が出会った、DEIに関係するニュース、映画、本、イベントなどについて日付ごとにまとめています。
草冠結太 2026.02.01
誰でも

1月3日(金)アフター6ジャンクション2「シネマランキング2025 スペシャルPODCAST第3部:株式会社吉野家ホールディングス取締役会長河村泰貴編」

とても面白かった。カルチャーの話から始まり人権、貧困、教育、多様性、保守と革新などへ話が広がっていく。しかもリアルで現場からの視点で。河村さんのお話は会長という立場にありながら、とてもストリートを感じた。聞き応えが桁違い。正直、私は数年前のマーケ担当の差別発言を強烈に覚えていて、そこから吉野家は避けていた。一人不買運動。でも、また食べてみようと思った。それくらい吉野家のイメージが変わった。牛肉ビジネスと環境問題のこれからにも、期待したくなる。

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1月4日(日)映画「みんな、おしゃべり!」

やっと観れた。そして評判以上に面白い映画だった。消滅危機言語コメディと銘打つだけあり、クルド語、日本手話、英語手話、日本語、英語。うつじ合わなさが、もうぐちゃぐちゃ。でも本来コミュニケーションってそういうもの。そこから始まるということを、私は忘れそうになる。笑いながら思い出したよ。これは傑作。これから上映館が増えていく予感がする。

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1月5日(月)fairs 「2025年「LGBTQニュース」まとめ #LGBTQNEWS2025」

松岡宗嗣さんが運営するfairがまとめたセクシュアルマイノリティに関するニュースの2025年振り返り。やはり米国トランプの反DEIの動きが大きな、そして嫌な流れを生み出しているように読める。そこに拍車をかける高市総理。こうやって時系列で俯瞰してみると、反DEIの動きは行政や企業といった権力サイドからの流れ。それに抗う人権的な、DEIを訴える動きは個人サイドからの動きであることがよくわかる。たぶんこれは、普遍的な構造なんだろうな。でも普遍性でいうならば、時代は変わる。変わらなかった時代なんてない。ならば私は、ずっと個人の側にいたい。村上春樹の言葉を借りるなら、壁に卵を投げ続ける側にいたい。今年はいいニュースを探して生きよう。

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1月6日(火)時事通信「バリアフリーで芸術鑑賞を 点字や手話通訳導入に支援 東京都」

これ本当に大事。この年末年始は、いろいろとカルチャーコンテンツに生で触れる機会があった。その度に思ったのは「観客が似たような属性の人ばかりだな」ということだった。芸術鑑賞のバリアフリー化はどんどん進めばいい。演目や内容も観客層によって変わるだろうから。そうやって進化していくものだと思う。

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1月7日(水)ePARA「夢の車椅子を考える!H.C.R.国際福祉機器展2025 ePARAトークショーレポート第1弾」

素晴らしい企画。福祉機器の改良と、eスポーツという、ガジェットやツールの改良が盛んなジャンルは、実は相性がいいんじゃないか。イノベーションの予感がする。私も先日Humoniiの電動車椅子、そして医療用の車椅子を乗り比べる機会があった。それぞれに特徴や便利・不便があったのだけれど、共通して感じたのは、ユーザーの身体的個性にフィットしないと機能しない、ということだった。加えてインフラのバリアフリーもさらに必要。このイベントみたいな、いろんな人のワイガヤが進化を生み出すのだと思う。

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1月8日(木)ePARA「ブラインドeスポーツを考える! H.C.R.国際福祉機器展2025 ePARAトークショーレポート第2弾」

テーマは「視覚障害当事者の声を活かした開発協力の形」。まずね、ゲームが「音戦宅球eSports」。音だけで楽しむゲーム、タイトルからして最高。チュートリアルが充実していて初心者でもプレイを楽しめるようになっているとのこと。こういう知見は、あるいみで視覚障害のある方との共同開発だからこそ生まれたものだろうし、幅広く応用がきくはず。うちの子どもが最近、スマホ中毒になりはじめてる。でもこういう目や首を痛めないゲームなら、やらせてもいいかなと思えるな。

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1月9日(金)ePARA「ゲームで健康に!バリアフリーeスポーツダイエット活動報告 -H.C.R.国際福祉機器展2025 ePARAトークショーレポート第3弾」

「Fit Boxing 北斗の拳 ~お前はもう痩せている~」すでに最高。ゲームを健康づくりに利用する、という考え方はかなり昔からあったけど、それがeスポーツにまで広がっているのね。なんたって名前からして「スポーツ」が入っているし。この取り組み、研究にまで発展してるみたいだし。実は「ゲームで痩せる!」というのが主眼ではないはず。運動を習慣化することで、自己管理や医療プロのアクセスがしやすくしたり、コミュニティとの共通言語を持つことがポイントなのかな。

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1月10日(土)こたけ正義感のギルティーチャンネル「【1月18日まで】こたけ正義感『弁論』」

素晴らしいライブだった。メインテーマの一つは生活保護。スマートな笑いをおりまぜながら、とても大切なことを発信している。現場のリアルな話も。基礎知識や政治的なことまで。リーガルなトーキング・ブルース。そりゃよみうりホールも満員札止めになるわ。こたけさんスゲーかっこいい。好きになった。

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1月13日(火)TBS NEWS DIG「日本の映画・テレビドラマは性的マイノリティをどう表現してきたか~いまだ残る課題と今後注視すべき点~【調査情報デジタル】」

セクシュアル・マイノリティとメディア表象について。非常に勉強になる論考だった。論のなかでしばしば出てくる、ブームや市場という言い回し。ここに「カッコ」がついていることは、おそらく意図的だろう。演じる側という視点。社会の偏りの写鏡としての映像作品という視点。フード理論・イートシーンなど。昨今の作品を振り返りながらも、いろいろなアングルから語られていて、読み応えがあった。それだけ作品が増えてきたということなのだろう。「性的マイノリティの経験をめぐる物語が、単純に次々と消費されるだけの「商品」で完結するのではなく、性的マイノリティが生きやすい社会構築の実現に貢献するような作品づくりが広がっていくことを期待したい」。うん。ほんとうにそう。

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1月14日(水)朝日新聞「国勢調査で見えない性的マイノリティー「統計を政策に生かしたい」」

めっちゃくちゃ大切なこと。性的マイノリティの実態を、従来の調査と同じ方法で調査し分析し、実態を把握すること。まだ国が統計をとってないなんて信じられない。マイノリティとはいうけれど、それは相対的な割合の話。数字として明らかになれば政策的に無視できないくらいの絶対数はいらっしゃる。そうなるのを恐れて、国は調査しないんじゃないか。既存の調査で性的マイノリティーを把握できる設計にするよう働きかけている、早稲田大SOGI調査研究所の釜野さおり所長、マジでリスペクト。

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1月15日(木)読売新聞「トヨタと新型チェア開発・オフはカートで練習…45歳パラスキー森井大輝、7度目パラでも冷めない情熱」

テンション上がる記事。ミラノ・パラは今年の3月から。2ヶ月も早く新聞で選手取材が始まっていることに感慨。パラリンピックの醍醐味の一つに「テクノロジーの進化」がある。だからマシンが活躍する冬季は、夏季に負けない見応えがあると思っている。記事に登場する森井選手、大日方さんともに私はファン。森井選手は「企業パラアスリート」という道を切り開いた先駆者の一人。大日方選手に至っては、史上初スポーツ紙の一面を飾ったレジェンド。お二人とも話が面白いのも共通してる。たしか大日方さんはミラノパラの選手団長だった気が。大会が楽しみだわ。

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1月16日(金)カンパラプレス「東京デフリンピックの熱気再び デフリンピアンが渋谷で語った舞台裏」

デフリンピックが終わって約2ヶ月。まだデフリンピックやデフアスリートの記事をネットでチラホラ目にする。これぞスポーツを通した社会化のカタチなのだけれど、このイベントはとりわけすごい。リアル参加希望者が抽選になるほどの人気だったとか。私はデフリンピックのDIY精神が好きだった。組織や権力よりも、人がいる感じ。だからなのか、「デフリンピックは競技の場であると同時に、人と人がつながる場でもある」というコメントも。いいなぁ。このイベント行きたかった。

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1月19日(月)パラサポWEB「香取慎吾さんとミラノ・コルティナ2026パラリンピックをアートで応援! 子どもたちが制作した“応援のタネ”」

新しい地図の御三方、とくに香取さんはほんとにスゴい。東京2020のときから公式サポーターやってて、今も続けている。これだけ継続している著名人・有名人って、どれくらいいるだろうか。心意気を強く感じる。意味あるの?というプログラムも多いけど、こういうプログラムは香取さんみたいな大人の姿を見せるというだけでも大いに意義があると思う。

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1月20日(火)茨城新聞「「性的少数者に理解を」 茨城・日立で市民団体設立 集会、パレードや情報発信」

地味な記事だけど、感動で鳥肌がたった。昨年12月30日のパレードには県内外から約10人が集まり、通行人や商店からは手を振って応援する人の姿も。「地方には少数者がいない」と誤解されがちで、実家や地元に帰省しない理由について「差別や偏見があるから」と指摘。団体は性的少数者の認知と理解拡大のため設立されたとのこと。たった三人から始まったパレードが、数年後に1,000人単位の大規模になった地域の例を知っている。心から、がんばれと願う。

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1月21日(水)Spotlite「美術館、バンドセッション、クルーズ船。視覚障害者の趣味・レジャーの同行援護とは?ガイドヘルパーの体験記」

なんとも楽しい気分になる記事だった。これはきっとただの記録ではなくて、体感の記録だからなのだろう。五感を使っていることがよく伝わってきた。私も今、映画の音声ガイドを本格的に作り始めることを検討していて。映画は五感とは程遠い、視覚と聴覚のみのアートフォーム。でもそこには特有の深みがある。世界の捉え方が異なる人と一緒にいることは、お互いの可能性を手探りでさぐりあてて、それを拓いて行く行為なのだと思う。その先に、楽しい世界があってほしいよな。

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1月22日(木)ヨガ・ジャーナル・オンライン「「恋愛感情と性的欲求は同じじゃない」当事者に聞くLGBTだけじゃないセクシュアリティの多様性」

とても明快で理解しやすい記事だった。読んでよかった。それと同時に、明確に定義したり区切ったりすることについての迷子感も覚えた。私はシスジェンダーであり、ヘテロロマンティックであり、ヘテロセクシャル。しかし年齢を経て、かなり性のありようも変わってきた。記事中でなかむらさんが解説していることは「あ。俺も」というところが多々あり、生活実態も伴っている。このまだらというか、多面的というか、うつろいというか。これって、一つの単語や定義におさまるのかな、と。自分のことだし、困るものでもないからいいのだけれど、他者に対しての態度としては気をつけておきたいなと思った。少なくとも、私が他の誰かの性を定義することのないように。それは暴力だから。マイクロアグレッションは、ぜんぜんマイクロじゃない。

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1月23日(金)朝日新聞「パートナーシップ制度あれば…とはいかない「父ふたり」が直面する壁」

情報が重層的になっていて良記事。パートナーシップ制度で十分なわけがなく。お子さんを育てるとなればなおさら。よく同性婚は幸せの数が純増するだけ、と言われる。本当にそのとおり。しかもその幸せには子ども、つまり数十年スパンの幸せも含まれるんだと思う。ならば数だけではなくて、時間でも考えるべきなんじゃないか。そうなると、同性婚は決して”少数派の”話ではないはず。2月には選挙があるけど。私のイシューは、やっぱ同性婚。今こそ、同性婚。自分の選挙区で法制化を進めてくれる候補に入れよう。

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1月26日(月)JIJI.COM「同性婚、全国で2万5800組 「結婚平等法」施行1年―タイ」

1年で2万5800組。人数にして約5万2000人が、パートナーの医療行為への同意、養子縁組、財産相続などが可能になった。周囲の家族も含めるとさらに人数は増える。これは決して小さい規模じゃないはず。パートナーシップ制度ではここまでカバーできない。日本も早々に法制化を進めるべき。今度の選挙に大義はない。逆に言えば、投票者の日頃の問題意識が重要になる。おそらく経済対策と防衛が大きな論点になるだろうけれど、同性婚だって経済と社会的安全性に強く影響するはず。それを忘れずに候補者を見極めようと思う。

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1月27日(火)東洋経済オンライン「迷いや葛藤を経て…出会いは見合い。トランスジェンダーの男女が「恋愛」ではなく「入籍なき結婚」を決めた理由と2人が考える"未来"」

めちゃくちゃいい記事だった。トランスジェンダー男女お二人が結婚した話。でも「結婚」はしたけど、「入籍」はしていないと。そこには二人の性自認や今後の可能性、なにより同性婚の不整備があって。こういう二人が入籍を選べないのは、あきらかに法的な不備というか欠陥だと思う。個人の選択や可能性を法律が侵害している。「2人の選択は、賛成か反対かという議論の外側に、静かに存在している」。パンチライン出た。そう。賛成か反対かの二元論の外には、たくさんの人の生活と幸せがある。でもその人たちを、人権や法律の外におしやってはいけないんだよ。つまり、賛成反対と人権法律は別レイヤーの話ってこと。早く同性婚の法制化を。

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1月28日(水)荻上チキSession「林公代さん取材報告「宇宙にヒトは住めるのか」」

とても面白い回だった。人間は重力の中で生きているし、空間設計もそれに基づいている。でも宇宙空間ではそれがリセットされる。人の住環境の概念そのものが変わる。海外では人工骨を入れた方や車椅子ユーザーも、すでに宇宙に行っているそう。パラ水泳のレジェンドである木村敬一選手は「宇宙は究極のバリアフリー空間」と言っていたとか。よもや宇宙とバリアフリーが繋がるとは思わなかった。人類はこれから宇宙空間に進出していく。早い段階でバリアフリーの概念が入ると、それこそ人類の進歩なのだと思う。

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1月29日(木)カンパラプレス「同じストッキングで同じグラウンドへ 慶應義塾と合同練習、青鳥特別支援学校は春の初勝利に挑む」

すごくいい記事だった。スポーツが共通言語!とかそういうのではなくて。野球をはじめとする団体競技って、いろんなヤツとどうにかこうにかチームを作って、好きな競技を楽しむものだと思っていた。でも私が出会ってきた体育会出身者の多くは違った。人を戦力/非戦力、敵味方で分ける人が圧倒的に多かった。でもこの記事からは、ぜんぜん違う雰囲気を感じた。スポーツという、能力を問われ、伸ばすものの先に、それ以上の何かを感じられるなんて、すごいことだと思う。青鳥特別支援学校の2024年地区予選は0-66で初戦敗退。でも2025年は1-22。1点獲れてる。点差も縮まってる。伸び代しかないって、これのこと。私のスポーツパーソン観は古い、と言えるだろうか。早く古くなって欲しい。青鳥特別支援学校、マジでがんばってほしい。

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1月30日(金)日本経済新聞「ソニー、障害持つ社員に専門職 開発初期から「聞こえ方」など助言」

とても考えさせられる記事だった。担当者は普段はアプリやサービスの開発に従事して、就業時間の一部を専門業務に充てるそうな。自信の障害を人に伝えるトレーニングもしているとのこと。背景には高齢化があり市場として見込めるから、らしい。体制もビジネス性も揃ってる。そこはさすがのソニー。障害があっても能力を発揮できるのは素晴らしいし、それが障害を「活かして」となれば活躍のチャンスにもなる。といいつつ、なんだこの違和感は。障害による線引きが形を変えただけでは?と引っかかるところもある。障害=才能・個性・資質、と矮小化してしまうことの懸念というか。障害=役立つもの、という短慮を招かないかとか。才能と持て囃すことは、欠陥と貶めることと同じメカニズム。ましてその才能や特殊能力が、自分が好き好んで身につけたものではなかったとしたら。身体性に基づいた部署配属の居心地の悪さも感じる。でも、必要な合理的配慮はまさにその身体性が端緒になるわけだし。さらに、たった数人の専門職が、障害者を代表するような危うさとか、他の社員がそう思い込んでしまう怖さもある。障害は千差万別だから。おそらくこれ、システムで解決することではないのだろう。社内制度や体制でチャンスは設けておく。雇用も確保し、もしくは増やす。あとは社員個人の希望とかモチベーションとかによってすり合わせていく、というのがいいのだろう。結局は、やっぱり個人の話に帰着するんだよな。解像度を上げるって、そういうこと。ソニーのことだから、そのへんはキッチリ考えてるといいなぁ。かなり注目していきたい。

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