【全23本】ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンだったアレコレ2025年9月

2025年9月に私が出会った、DEIに関係するニュース、映画、本、イベントなどについて日付ごとにまとめています。
草冠結太 2025.10.01
誰でも

9月1日(月)東京ポッド許可局「第642回 意見が違う論 ロングver」

ものすごく面白い回だった。異なる意見をいかに楽しむか、そこに価値を見いだすか。それをメディアやアカデミズムの観点から考える回。そこから派生して、意見の異なる相手を尊重するというルールを共有できるか、相手に興味をもてるか。意見と人格。論理と快不快、などなど。面白くて2回目聴いたわ。

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9月2日(火)billboard JAPAN「スヌープ・ドッグ、子ども向け映画のLGBTQ+キャラクターについて不満を表明「もう映画に行くのが怖くなった」」

待て待て。セクシュアル・マイノリティは人口の10%程度いる。だから映画に登場してもなんら不思議はない。特別な役回りも必要ない。主人公だっておかしくない。スヌープは「俺には答えがない」とか言ってるけど、それは勉強不足ってもんだろう。ヒップホップはそれまでの常識とかを覆しながら、LoveとUnityとPeaceとHaving Funを追求してきた。根強いホモフォビアもとっとと覆してほしい。そのほうがかっこいいぜ。

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9月3日(水)手話のまち 東京国際ろう芸術祭

東京デフリンピックウィークの1週間前、つまり11/6から11/9まで、東京・高円寺で開催。日本のろう者が中心となった芸術祭。国内外の舞台や映画を中心に、ろう/難聴や手話に関連する作品が上映・上演される。4日間で約20のプログラム。面白そうすぎる。あれもこれもいきたい。娘と相談しようっと。

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9月4日(木)パラサポWEB「パラリンピック2大会連続金メダルから1年。自転車競技の現状は?」

「最年少記録って二度とつくれないけど、最年長記録ってまたつくれますよね」やばい!パンチラインでた!杉浦佳子選手、最高だろ。それと西田杏選手。スイムでトップ、自転車で日本新って、どうなってんだよ。すげーな。自転車のトラック競技は見たことがない。一度でいいから生観戦してみたい。でもなー。近くに競技場がないんだよなー。

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9月5日(金)IDEAS FOR GOOD「4組の同性カップルがそれぞれ“子ども”と向き合う。映画『ふたりのまま』が映す、多様な家族の築き方」

4組の同性カップルのドキュメンタリー。この映画の上映開始を楽しみにしている。9月20日から。とくに興味というか、ぜひ映画で観たいと思っているのは、精子バンクを通じて授かった娘がまもなく成人を迎えようとしているカップル。他人事じゃない、子どもなんてすぐに育つんだから。そしてそれはとりもなおさずカップルの二人も、同じ早さで歳をとるということでもある。同性婚の未制度化・未整備は違憲であると、高裁はのきなみ判断した。最新の判断は今年の3月だったっけ。早くも半年が経過。あれ?憲法違反って、そんなに長いこと放置してていいんだっけ?一刻も早い同性婚の法制化を。

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9月8日(月)シノドス「手話AIで雇用を生み出す──Vulcan Coalitionのインクルーシブ戦略(タイ)」

タイでは聴覚障害者30万人に対して、手話通訳者が200名程度しかいないという。そこで聴覚障害者自身を「AIデータスペシャリスト」として雇用し、手話の映像解析を活用した翻訳開発を進めるビジネスの話。これはすごい。「聴覚障害者がもつ言語的専門性を「AIを育てる能力」として再定義し、それを経済的価値に転換することで、支援する側とされる側という境界線を曖昧にした」。発想の転換だけなら思いつく人はいる。それを実行に移して、事業として成立させる能力と志。手話は言語だから、国の数だけ生成AIが必要になる。壮大な可能性を秘めてる話だった。

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9月9日(火)Business for Marriage Equality「「婚姻の平等、その先の社会:オランダ王国大使館とともに考える」―大阪・関西万博オランダパビリオン」

「制度が整っても偏見はゼロにはならない。だからこそ、法制度と文化的理解の両輪が必要なのです」世界で初めて同性婚を法制化したオランダでもそうなのか。「住宅産業においては“家族”の定義が商品設計に直結する。だからこそ、私たちが先んじて姿勢を示すことが重要なのです」さすが積水ハウス。「婚姻制度の実現は(LGBTQ+の)子どもたちにとっても“希望を育てる法制度”になるのでは」まったくもってそのとおり。私は万博に反対。あだんけの金があったら子どもたちの食事にまわしてほしい。でもこういう催しがあるというのは、まんざらでもないな。大使館と企業と行政と活動団体が一堂に会すなんてなかなかないだろうし、ましてそれが東京以外で開かれるというのは重要なことだろうから。せっかくだからオープンスペースで、大々的にやればよかったのに。

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9月10日(水)MARRIAGE FOR ALL JAPAN「【9/13~15・大分】なりたい展初開催!」

「私たちだって「いいふうふ」になりたい展 in 大分 2025」開催。ようやく大分でも!場所はJ:COM ホルトホール大分。大分の丸の内とでもいうべき一等地。あそこ雰囲気いいんだよなぁ。明るいし、大人も子どもも、社会人も学生もいる。この催しがかつて東京で開催された時、私も行った。とても勉強になったから、行ってよかった。大分はセクシャルマイノリティへの理解がまだまだ、というのが大分出身の連れ合いを持つ私の肌感覚。だからこそ、開催の成功を祈らずにいられない。たくさん人が来るといいなぁ。夜22時までやってるってのもいい。観終わった後、都町で一杯やりながら未来について語りたい。

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9月11日(木)ハチエフ25

9/20と21、岩手県で東北最大の格闘ゲームのeスポーツイベントが開催される。その名もハチエフ25。障害のあるプレイヤーと健常者が一堂に会し、格闘ゲームを通じて交流・競技を行う。前々から注目してて、いつかいきたいなぁと思ってる。ゲームもそうなんだけど、出展される最新機器・ガジェットにも興味があり。メディアにはもっと詳しく記事にしてほしい。eスポーツは究極のバリアフリースポーツなんて言われる。実際、大会にはストレッチャーで観戦するファンもいる。このイベントも大きな可能性あるよ。

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9月12日(金)パラサポWEB「フルセットの激闘を制して“生涯ゴールデンスラム”達成! 小田凱人が魅せたSHOW」

19歳での達成は、車いすテニス史上最年少記録。「スタジアムでプレーしたい。見に来た多くの観客を、喜ばせる自信がある。車いす選手がスタジアムでプレーするのが普通になるときまで、僕の旅は終わらない」とコメントを残した。一流の一流たる所以は、強さとかっこよさを兼ね備える気概。それはナルシシズムではなく、課せられた責務なのだと思う。彼はそれをやってのけている。パラスポーツこそ、ぶっちぎりでかっこよくあれ。これは日本のパラスポーツが、世界レベルでクールになった瞬間なのだと思う。

9月12日(金)坂上香監督の新作ドキュメンタリー『コール&レスポンス』完成までの支援プロジェクト

坂上香監督の次回作「コール&レスポンス」のクラファンに参加した。少年院と社会が舞台。ラップを通して少年と市民が呼応しあう実験ドキュメンタリー。やばい。楽しみすぎる。映画の公開が、そしてエンドクレジットで自分の名前が流れる日が待ち遠しい。

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9月16日(火)オルタナ「LGBTQファミリーが問いかける「多様な家族のあり方」」

ドキュメンタリー映画「ふたりのまま」、いよいよ今週末から上映開始か。観にいかねば。先日、この記事に書いてあるような、お子さんのいる同性カップルの方とお話する機会があった。国・自治体・地域の人々の無理解について、呆れたエピソードばかりだったんだけど、残念ながらあるあるらしい。私は母子家庭で育ったけれど、母の友人親子と一緒に暮らしてたから、ママ二人の家庭といえる環境だった。ママが二人だったりパパが二人だったりすることの何がいけないのか、マジでわからない。この映画が多くの人に観られるといいなと思ってる。

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9月17日(水)朝日新聞「奪われた「共生」の言葉 障害者なき対話に市川沙央さんは思う」

最高の寄稿だった。これは朝日新聞だけじゃなくて、日本中のいたるところで起きていること。とくに、現場を知っている人と、そうじゃない人が一つの組織にいるケースで多発する。リアリティが違うんだ。人間理解、世界理解が違うと言ってもいい。でもさ。「8がけ社会」で生き残れる8割の人だって、その閉じた世界は長続きしないってことがわかったのが現代なんじゃないのかい。彼らだって、いつでも2割の側に回りうるのが社会ってもんじゃないのかい。とはいえ、この種の巨大にして無意識な差別的言動は、他人事じゃない。私だってやりうる。とくに組織のバイアスやしがらみがある時には。今の自分を疑おう。それしかない。

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9月18日(木)こここ「認知症のある方100人以上にインタビューをして気づいたこと。認知症未来共創ハブ代表・堀田聰子さん」

少し前の記事になるのだけれど、とても勉強になった。というか目からウロコだらけ。「できない」を知ることは同時に「できる」を知ること。さらにいえば「できなくてもいいや」を知ることであり、それはすべて人間理解への知恵でもある。誤解を恐れずにいえば、認知症は障害と通じるものがあり、すべての人にその可能性があるという点でも共通している。有識者がアクティブにネットワーキングしていること、それをクリエイティブな活動として推進していることに希望を感じたよ。

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9月19日(金)時事ドットコム「スポーツ庁長官に河合氏 パラリンピアンで初」

素晴らしい。スポーツ庁長官にパラリンピアンということもスゴイし、中央行政府の要職に視覚障害のある方が就くというのもスゴイ。これは大きな可能性を感じる。きっと仕事の仕方の小さなところから変わっていく。それを、中央官庁のエリートたちがどう感じるか。きっとそれが大きな一歩になる。他の省庁の上層部も、どんどん多様性が高まるといいんだよ。

9月19日(金)デフリンピック開会式 抽選ハズレ

11月のデフリンピック開会式、チケット抽選ハズレた。見事にハズレた。とっても残念なんだけど、少し嬉しかったりもする。よかった、ちゃんと人気あるじゃん!て。この調子で試合にもたくさん観客くるといいなぁ。もちろん俺も行く。

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9月22日(月)映画「ふたりのまま」

観てきた。映画「ふたりのまま」。4組の同性カップルの愛と日常に密着したドキュメンタリー。素晴らしかった。とくにラストが最高。同時に、今の日本の法制度の不備や社会の無理解についても考えさせられる。子どもが絡んでくるとなれば、もう他人事じゃなかった。一人でも多くの人に見てほしい映画。それにしてもよく撮ったな。大作だよこれは。

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9月23日(火)SHINGO★西成 ワンマンライブ2025

西成をレペゼンするラッパー、SHINGO★西成のライブ。最高だった。西成という土地で培われた価値観、懐の深さ、ユーモアそしてタフネス。とくにラストの終わり方が素晴らしかった。泣けて笑えてしょうがなかった。あんなんありかよ。反則だろ。最高すぎるだろ。「心の記憶」に残ったよ。

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9月24日(水)読売新聞オンライン「国内初の障害児サッカーリーグ誕生へ…滋賀の社団法人など来春創設「勝ち負けより楽しみ優先で」」

これは本当にすごい!素晴らしい!どれだけ賛同してもしきれない。そう。勝ち負け至上主義の団体、親が多すぎる。運動を楽しむ、好きになる、続けるほうが、ずっと大切なはず。でもそうなってない。障害のある子ならなおさらスポーツ環境は難しくなる。その点、発起人である高橋さんはとても本質的な活動をしていると思ったし、地元の小中学校を対称に調査もしているということもすごい。地元の声を地元で聞いて地元の活動を作っていく。ほんとにリスペクト。

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9月25日(木)カンパラプレス「大会新で堂々の金!山口尚秀が激闘を制す【パラ水泳世界選手権】」

世界選手権4連覇!知的障がいを伴う自閉症をもっている選手。ヤバい。カッコいい。市役所に勤務した後、四国ガスに転職。そのキャリアも、障害のある人の励みになるんじゃないか。最近、知的障害について考える機会があったんだけど、本当に可能性を感じてる。同時に自分を含めた社会の無理解・無知識と、理不尽も感じてる。知的障害のある選手が参加できるパラスポーツは、水泳と陸上と卓球だけ。こういう活躍の機会やニュースがどんどん報道されてほしい。

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9月26日(金)カンパラプレス「涙の銀メダル 辻内彩野、亡き二人に捧ぐ「天に掲げました」【パラ水泳世界選手権】」

こういう話に弱いのよ。パラアスリートはどうしても、選手の障害に話がいきがち。障害があるから。障害があるのに。でも障害の有無の前に、アスリート。そりゃ人間ドラマをわんさと背負って競技に臨んでる。それもまたスポーツの醍醐味。メダルを天に掲げるなんて、かっこいいじゃないか。俺も人生で一度くらいやってみたい。

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9月29日(月)カンパラプレス「速報 久野竜太朗が銀メダル 男子100m【パラ陸上世界選手権】」

インドで開催中の世界パラ陸上。男子100メートル(T12=視覚障害)で、日本の久野選手が準決勝で10秒91を記録。アジアタイ記録の走りだったとのこと。視覚に頼らない走りは平衡感覚もコントロールが難しくなる。それでこの素晴らしい記録。こないだまで日本でも世界陸上が盛り上がってたけど、パラ陸上もすごいことになってるな。100mを10秒台。9秒台も夢じゃない、とか言ってしまうのは気が早いのだろうか。でもひょっとすると、ひょっとするぜー。

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9月30日(火)朝日新聞「世界陸上に「僕はゲイ」と公表のランナー 走り方に通じる生き方」

「自分で自分のことを受け入れたかったし、公にすることで(似た境遇の)多くの人を助けられるのでは」。世界陸上に出場した選手のなかにも、きっとたくさんセクシュアルマイノリティの方がいるんだと思う。だからこそ、こういった選手と、理解ある周囲の環境に希望を感じる。

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